2011年5月26日木曜日

サイエンス誌 東京近くで別の大地震可能性を指摘する論文を発表


(元記事)東北太平洋沖地震のメカニズム 『サイエンス』誌に3論文、東京近くで別の大地震可能性も指摘

サイエンス誌は先週、日本を3月に襲った東北地方太平洋沖地震[東日本大震災]のときに何が 起こったかを理解するための3つの論文とパースペクティブ(予見)論文を掲載した。

研究者たちが問題視しているのは「震源域の断層がM9のエネルギーを発生するとは想定していなかった場所だった」という点にある。

このような断層は日本近海に数多く存在するため、今後それぞれの断層ごとに巨大地震の発生可能性を検討する必要に迫られることになったわけだ。

東日本大震災は日本海溝を形成する断層の一部に沿って発生した。日本海溝は太平洋プレートが北アメリカプレートの下に沈み込んでいる。東日本はその北アメリカプレートの上に乗っている形である。その沈み込み帯が日本の内陸深くまで及んでその圧力作用で盛んな火山活動をもたらしている。

日本のような地震多発国は、これまでM8級の大地震は発生したが、それに伴いプレート間のひずみも解消され、「M9にまで及ぶ超巨大地震は発生ないだろう」と思われていた。しかし、その予測は今回の地震で根底から覆されたことになる。

今回の地震で、海では最大の標高低下は海岸から推定50キロメートルの地点で発生し、そこでは東日本のプレート部分が2メートル低くなったことが判明した。一方、日本海溝の付近では、北アメリカプレートの端が9メートルも隆起した。しかしこれらの変化は、「水平方向の移動データに比べれば小さいものだ」という観測である。
その移動距離は最大で60メートルと予想されている。

問題なのは「これが北アメリカプレートに隣接するフィリピン海プレートにどのような影響を与えたか?」という点である。

≪日本にとっての懸念は、これまで地震があまり起こっていない土地でも、その地域のプレートがスムーズに動いているとは限らないことだ。

論文の1つは、海山が海溝に引き込まれる場合には、 長期にわたって静かな状態が続く可能性があることを示唆している(今回地震を起こした東北沖がそうだったとみられる)。[海山によって、プレートの滑りが長期間にわたって抑えられてきて、その結果ひずみが蓄積されてきたという説を述べている]
そのため、海溝の境界付近にあって、表面的には地震活動の少ない他の地域についても、もう一度よく調べてみる必要がある。心配なことに、そのような地域の1つが、今回地震の発生した場所よりもう少し南の、より東京に近いところにあると、論文は指摘している。

[今回の地震で震源域にならなかった茨城沖は、長期間、M8以上の地震が起こって おらず、ひずみがたまっている可能性があると指摘されている]≫

ということで、東南海地震も警戒しなければならないが、茨城沖・千葉東方沖でも巨大地震が発生するリスクが高まった、ということだ。

最悪の場合、これらが連動することも想定しなければならない。
東日本大震災の時は、地震そのものによる被害は津波や原発事故に較べればそれほどでもなかった。
Mが大きかった割には建物破壊を引き起こす波長ではなかったことが幸いしたようだ。

何れにせよ、地震は二次災害の方が甚大な被害をもたらす。地震が発生したら、震動が収まるのを待って安全な場所に避難することが肝要である。

福島第一原発所長も危惧していたのだが、現在の原発復旧作業では、余震対策が希薄である。ここでM8級の地震に見舞われたら汚染が更に拡大してしまう恐れがある。

現在の日本は極めて危機的な状況なのだが、すぐ悪慣れしてしまうのが日本人の欠点である。

政界の動きも当初の緊迫感は薄れ、またぞろ愚にも付かない党利党略を繰り返している。

今の日本にそんな無駄なことをやっている暇も余裕もないことを政府も野党も国民も認識するべきなのである。



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