2011年2月11日金曜日

退化し痴呆化する人類 数千年で10%も大脳が縮小している事実が判明



人類の脳、3万年で1割縮小 進化か退化か?

≪人類の脳の大きさが過去3万年で縮小しているとの研究結果が 米科学誌ディスカバーに発表された。科学者たちは、これは知能が低下しているのではなく脳がより引き締まり効率的になった「進化」ではないかと主張する一方、戸惑いも見せている。≫

文明が進化を続けているのに、脳が縮小している矛盾に対して満足に説明できる学説は存在しない。

≪欧州、中東、アジアで発掘された頭がい骨を測定した結果、現生人類「ホモ・サピエンス」の脳の平均サイズは、3万年前と比べて約10%縮小し、1500CCから1359CCになっていた。縮小はテニスボール1個分に相当する。≫

古代人類の方が大きな脳の容積だったことは以前から知られていた。目新しい発見ではない。

≪3万年前ごろに原因不明の絶滅をした現生人類の近縁種ネアンデルタール人は、現生人類よりもはるかに大きな脳を持っていた。≫

これも有名な話だ。

ネアンデルタール人

ネアンデルタール人男性の平均的な脳の容積は1600CCとされている。ただし、亜種や変遷などまだ系統的な研究は明確に確立されていない。

日本人の起源は白人とネアンデルタール人との混血だった!

≪また、1万7000年ほど前にラスコー 洞窟の壁画を残したホモ・サピエンスに属するクロマニヨン人の脳も、現代の人類の脳よりも大きかった。≫

これも知られた事実。ただし、クロマニヨン人男性は平均身長が180センチだったことも考慮するべきか? クロマニヨン人男性の平均脳容積は1500CCである。ネアンデルタール人に比べて遜色はない。

≪過酷な環境で生きていくために、大きな脳が必要だった、と米ミズーリ大学の心理学者デビッド・ギアリー教授はみている。≫

ディスカバー誌の記事は1月に発表されたが、退化説を肯定している学者も多い。勿論否定的な解釈も可能だが、ギアリー教授の反論は珍説に近い。

≪ギアリー教授ら研究チームは、人口密度の増加に従って脳が縮小したことに着目。人口密度が増加すると、人びとが互いに近くで暮らすようになり、集団間・階層間での交流が増えるとの仮定のもと、「人口密度増加は社会の複雑さが高まることを示している」と考えた。≫

人口密度の低い地域と高い地域の住民の脳容積の平均値を求めることで、このようなデータを得たのだろうか?
もし、これが事実ならこちらの方が大発見のように思われる。

≪「複雑な社会が誕生すると、ヒトは生存するために知能を使う必要がなくなったので、 脳が縮小したのではないか」と、ギアリー氏はAFPに語っている。≫

大脳は知能ばかりを司っているわけではない。その機能の大半は運動神経だ。原始人に較べて現代人の運動神経は退化しているから、「その分大脳が目減りしている」と考えることは可能だ。

≪一方、人類の脳が小さくなったことは知性の低下を意味しない、と米デューク大学の人類学者、ブライアン・ヘア准教授は語る。むしろ、 別種の、より洗練された知性を身につけたのだという。≫

珍説その2。

≪ヘア准教授は、同様の現象が野生動物と飼育動物との間にもみられると指摘。たとえばハスキー犬はオオカミよりも脳が小さいが、ハスキーはまるで人間の子どものように人びとの会話や身振りを理解でき、つまり、より洗練された知性を持っている、とヘア氏は語る。「オオカミはイヌよりもはるかに大きな脳を持っているが、イヌの方が(オオカミより)はるかに洗練されていて知性的で柔軟だ。つまり、知性は脳の大きさと関連性があまりないといえる」とヘア氏は指摘した。≫

これは酷い。この御仁は単なるイヌ好きなだけのようだ。イヌに対する思い込みだけで仮説を立てるとはいい根性をしている。
まさか論文発表はしないだろうが…。

しかし、この両名の珍説でも知れるように、「退化」を意地でも認めたくない欧米人の発想が判る。

脳の大きさと知能との相関関係は科学的に確立されていない。男性と女性とでは100CCほど脳の容積に差があるが、女性の方が知能が低いというデータはない。体が大きければ脳も大きくなるのは当たり前で、大男は頭がいいという根拠は存在しない。
脳の大きさが知能と比例しない例としてよく挙げられるのはクジラと象である。
欧米のクジラ信仰は脳の大きさに由来している。「脳が大きいのだから知能も高いに違いない」という思い込みなのである。したがって、今回のディスカバー誌の発表は欧米人には相当のショックなのである。彼らは「自分たちが最も神に近い存在」と信じているからである。その根拠として大脳の大きさに依存していたのである。
実際の所、クジラの知能に関しては不明な点が多い。クジラと言ってもハクジラとヒゲクジラとでは形態が異なる。知能が高いと証明されているイルカはハクジラに属するが、その最大種であるマッコウクジラの知能程度は不明だ。マッコウクジラの脳は全動物中最大である。マッコウクジラよりも大型のクジラの脳はこれより小さいことになる。
地上における最大動物である象の知能は非常に高い。訓練すれば、鼻を使って自分の似顔絵も描いてしまうほどだ。チンパンジーにこの芸はできない。当然、象の脳は人間よりも大きい。しかし、象が人間よりも賢いという証明はなされていない。

逆に脳が小さい鳥類でもヨウムやワタリガラスのように知能が高い種が存在する。
体重と脳との比例関係を重視する意見もあるが、これだと体が軽い「スズメ」が有利になってしまう。

動物の特性によって事情が異なるので、脳の大きさで異種間の知能差を比較するのは難しいが、同じ種ならば時系列的に進化を比較することは可能である。
人類の場合、過去数百万年単位でみれば、「脳の容積は増加し、それに伴い知能も向上した」と判断できる。そして、3万年前から逆転現象が発生したのである。古代人ほど脳の容積が大きいのである。日本で言えば、縄文人の方が現代人よりも大きな脳を持っていた。縄文時代の初期にはまだ人類も男性の平均脳容積は1500CC近くあったものと思われる。
脳の退縮が顕著になったのは比較的最近の数千年レベルのできごとなのである。

この数千年間において文明が発達したのは、人類の知能が向上した結果ではなく、知識の蓄積が増えた結果であることは明らかである。徐々に知能が低下していっても、あるレベルまでは文明は進歩可能である。
しかし、ある水準を超えると当然破綻することが予想される。いつの日か、人類は自ら作った文明を制御できなくなるのである。

ナメクジ

ナメクジというと原始的な下等動物のように思われがちだが、意外とそうでもない。

軟体動物

ナメクジが属する「軟体動物」は動物界の分類上進化した部類の属する。更にナメクジは軟体動物門の中でも進化した「腹足綱」に属する。軟体動物中最も進化した「頭足類」と比較すれば原始的構造だが、眼球などはかなり複雑な構造をしている。
故手塚治虫氏の漫画に「ナメクジがかつて地球を支配していた」という設定の作品があったが、そこまでいかなくても、ナメクジの祖先はより複雑な構造を持っていた。それが退化した結果現在の形態になったと考えられる。

ナメクジはかつて殻を持っていたが、ある時点で喪失してしまった。これを退化と解釈するか進化と解釈するかは判断が難しい。「退化も進化の内」と言ってしまえばそれまでの話である。


記事が面白いと思ったら下のリンクをクリックしてくだされ!! 
<(_ _)>

→人気blogRanking

0 件のコメント: