2011年6月11日土曜日

産経新聞が必死に原発擁護しなければならない悲しい事情


日本中「反原発」一色に染まるなか、サンケイさんの孤軍奮闘ぶりが目立つようになった。
もともとニッチ狙いの傾向が強いメディアなので、今回もその口か?

(元記事)ドイツの脱原発 実態知らずの礼賛は禁物 (産経新聞 “主張”)[11/06/08]

≪ドイツの脱原発が決定的になった。6日の政府閣議で正式合意に達したためである。
同国内にある17基の原発は2022年までに全廃される。
福島第1原子力発電所事故を契機に、世界で急速に高まった反原発世論に押された結果のエネルギー政策の大転換だ。≫

ドイツが脱原発で騒いでいるのは、EU内でのエネルギー利権がらみである。

脱原発派が推奨する「自然エネルギー」にしたところで、所詮はハコモノで、利権体質は原発推進と代わり映えしない。
自然エネルギーのとりえは、無駄金を使って失敗しても二次被害が少ないのと、放射能汚染の心配がないので撤去費用が嵩まないことくらいか?

≪日本国内にもこの方向転換を評価する声がある。
だが、手放しの脱原発礼賛は禁物だ。ドイツ経済や国民生活などへの影響を慎重に見極めたい。≫

見極めるまでには数年の歳月が必要だ。それまでは「脱原発をするな」と言っているのである。

≪環境先進国を自負するドイツの国内でさえ、産業界から憂慮と懸念の声が上がっている。
産業用の電気料金は既に高くなっており、脱原発でさらなる高騰が避けられないからである。同国の産業競争力の低下は欧州連合(EU)全体の景気低迷を招きかねない。≫

CO2の縛りがなければ、火力発電でどうということはない。

≪原子力発電の特長は、安い電気を安定的に生産・供給する力があることだ。≫

(T_T)ちっとも安くなかったのだが…。この期に及んで、サンケイさんはまだ嘘をつくの?

≪福島事故とそのあおりで、日本国内の原発は3分の2が停止している。各電力会社は火力発電の量を増やして代替しているため、燃料代がかさんでいる。≫

これはその通りだな。

≪原発の停止状態が継続すると国内9電力の負担増は、年間2兆円の規模となる。
この巨費が料金増に転嫁され得ることを、国民は見落としてはなるまい。
消費税率アップに換算すれば、約1%増に匹敵する規模である。≫

しかし、原発が安全でないこともばれてしまったので、リスク負担をどう処理するかの問題である。

≪ドイツの脱原発は一国の選択としては尊重すべきだが、同時にドイツのエネルギー事情の実態を知っておくことが必要だ。ドイツは電力の約半分を石炭火力でまかなっている。
太陽光発電に熱心な一面のみが伝えられがちだが、現実は違う。≫

ドイツも日本同様太陽光発電には不利な条件の国である。自国でやる気はないだろう。技術を開発してアラブに売り込もうという魂胆か?
ドイツは自前で石炭を掘れるので、石炭発電が一番効率良い。汚染物質除去装置を取り付ければCO2対策も問題ない。既存の火力発電所のオプションで可能なので安上がりだ。

≪これだけで驚いてはいけない。≫

何を驚けばいいのか?
まさか、「ドイツの発電方式は全部太陽光」と思っていた知障が大勢いるとでも…。

≪「ドイツは原発停止で不足する電力を隣のフランスから輸入するが、フランス産電力の8割は原発で作られたものである。≫

これも驚けと言うのか?
この程度を知らない奴は情弱だ。Wikipediaで調べるだけですぐ判る。
マスコミも散々報道していたし…。

≪ドイツの脱原発は「自国内では生産しない」という名ばかりの「脱」である。≫

何を得意げに…。

≪全原発の停止に踏み切ることができるのは、欧州全域をカバーする電力網が存在するからだ。島国であり、エネルギー資源小国の日本では、こうはいかない。≫

何だ! すぐ説明しているじゃないか。ドイツはEU枠内で自国の利権を考えているのである。日本の場合同じ国内でも東西で融通が利かない有様である。

≪福島事故を受けて日本政府はエネルギー戦略の見直しに着手しているが、安全性と安定供給を両立させての原発堅持が不可欠だ。≫

発電方法の安全性と安定供給を両立させることはいうまでもないが、どうして「原発堅持」なんて出てくるの!?

原発は安全でないし、地震や津波が発生すれば安定供給できないから問題になっているのだろう。

≪ドイツの決断は、エネルギーと経済の両分野にまたがる遠大な実験だ。その足取りを、これからしっかりと見届けたい。≫

サンケイさんのどなたが書いた記事かは存じ上げないが、「噴飯もの」とはまさにこの記事みたいなものを指して言うのだろう。



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