2010年12月9日木曜日
金星探査機「あかつき」の失敗にみる日本の天下り宇宙開発
外国に較べて日本の宇宙開発予算は極めて少ない。予算の割には頑張っているのだが、宇宙開発そのものは例の独立行政法人による天下り機構の中にどっぷり嵌められている。
厳しい環境下で頑張っている技術者と退職金目当ての文科省役人とが同居しているのである。
JAXAは仕分けの対象だったが、「はやぶさ」のおかげで対象から逃れた。しかし、「はやぶさ」の成功も「結果的に」ということで、かなり綱渡り的だったことは隠しようもない事実である。日本の宇宙開発の水準は米露には遠く及ばないのが実態だ。
ドラマ的には事件が発生した後その危難を乗り越えて成功するのが面白いのだが、事務的に進行して何事なく成功できるのが本来の実力であることは言うまでもない。
「はやぶさ」の成功?を受けて「あかつき」でも成功させ勢いに乗りたいJAXAだったが、現実は厳しかった。
探査機「あかつき」、金星の周回軌道投入に失敗したが…6年後に再チャレンジ
あたかも、まだ希望があるかのような言いぐさだが、予算削減を意識しての苦し紛れの言い訳であることは言うまでもない。
「せっかく金星まで行ったのだから、最後の詰めをもう少し何とかならないものか?」
とは誰しもが思うところだろう。現実には「最後の詰め」が技術の差なのである。これを埋めるためには予算を倍以上増やしてやらなければならないだろう。しかも、安易に予算を増やすと天下りの取り分が増えるだけの結果になってしまうから頭の痛いところだ。
JAXA
ここの天下り体質は以前からその問題性が指摘されていた。仕分け対象になるのも必然性があったのである。宇宙開発への夢と天下り汚染の現実とが同居していることはしっかり見極めなければいけない。
仕分けに反発して「宇宙開発への夢を壊すな」などと騒ぐのは情弱ガキの言い分である。
役所が日本の宇宙開発をダメにする
「あかつき」と同時に打ち上げられたIKAROSはほぼミッションを成功させた。これで一勝一敗の星取なのだが、技術的には「あかつき」の方が高度なものを要求されていたことは言うまでもない。
IKAROS
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