2010年7月15日木曜日

21世紀最大の奇跡?「70年間飲まず食わず」インド断食聖者の実像



長期間断食を続ける人はかなりの数報告されているが、客観的な観察下で長期間の断食が確認されているのはヨガ聖人、プララド・ジャニ氏(83)をおいて他にない。

断食にもいろいろなレベルがあり、飲み物ならOKという初心者向けから、水だけなら可の中級者、一切飲食しない上級者向けなどのバリエーションがある。
プララド・ジャニ氏は上級者のパターンである。ただ、惜しむらくは1日に1度うがいをしている。これもしなければ最上級クラスである。

70年間断食を続けるインドの聖者をついに認証か?

私は断食などしたことも考えたこともないが、メタボが気になってダイエットを試みた。
その時、大して食べていないのに、体重が増加する不思議な体験をした。飢餓状況になると腸内の栄養吸収効率が飛躍的に向上するようだが、私の場合それとは関係ない。

飲食した時にその総量を計測し、数時間後体重計の数値が事前に計測した体重と飲食物の合計値よりも超過したら私と同じ体験をしたことになる。それほど面倒でもない実験なので、ダイエットのお遊びとしてやってみるのも面白い。安っぽい体重計で実験する場合は数回計測して平均値を求めよう。

【インド】「70年間飲まず食わず」 世界注目のヨガ聖人を直撃

≪70年以上、飲食や排泄をせずに生きているとして、インド国防省の研究機関が身体のメカニズム解明のために調査し、世界中の関心を集めているヨガ聖人、プララド・ジャニ氏(83)。
インチキ説も根強いが、多くの人々から生き神のような存在として崇拝されているジャニ氏とはいったいどんな人物なのか。ジャニ氏が暮らす寺院を訪れた。≫


数週間政府の科学的機関が観察していたのは事実だから、驚異的な事件であることは間違いない。 「70年以上」というのはあくまで本人の主張である。しかし、長期間の断食に成功していれば、その主張を端から否定することはできない。
しかし、現代科学の常識とはかけ離れているのでインチキ説が出るのも当然で、科学的機関の観察の厳密度がどの程度か問題になるところだ。

≪グジャラート州アーメダバードから北に車で約3時間。巨大な岩が折り重なる丘の斜面に建つ赤い寺院が現れる。そこに住むジャニ氏は予知能力や病気を治す力があるとして、多くの信者を抱え、毎週日曜には数千人の参拝客を迎える。この日も長蛇の列だった。 ≫

予知能力や治癒能力に関しては、当然ながらその信憑性に関する具体的報告はない。

≪寺院の大広間に、ブランコに横たわって信者にリンゴを手渡すジャニ氏がいた。静かな老人だと思っていたら突然、側近の男性を怒鳴りだした。かんしゃく持ちは有名だという。≫

悟りを開いた聖人というわけではなく、「気の短い普通の爺さん」という印象のようだ。

≪ジャニ氏に側近が「日本のメディアです」と耳打ちすると、即座にブランコの上で正座し、胸の前に両手を合わせ迎えてくれた。動作は驚くほど敏速だ。≫

なかなかのプロ意識である。少なくても認知症の兆候は見られない。

≪ジャニ氏は男性なのに、信者からはヒンディー語で「母」の尊称である「マタジー」と呼ばれる。 本人によると、体の半分はヒンズー教のシバ神(男性)で、もう半分はアンバ神(女性)だとか。≫

一見どうでもいいような下りだが、性ホルモンが関与している可能性を示唆している。

≪顔は老人だが、雰囲気は子供のよう。女性的な衣装や装飾品をまとった身長140センチほどの小さな体はきゃしゃだ。≫

充分栄養が取れていないのだろう。体が大きいと燃費が悪いのは事実だ。

≪ジャニ氏に、世界中が疑惑の目を向けているとぶつけた。すると「実際にここに来て私に会ってから判断してもらいたい」と、グジャラート語で穏やかに答えた。
なぜ飲食も排泄もせず生きられるのか、と聞くと「強靱な肉体は神から与えられた贈り物だ」と淡々と答え、「人々が私のことを知って、信じてくれることはうれしい。それによって、さらに多くの人々を助けることができる」と語った。 ≫


ジャニ氏が何を信仰しようが自由だが、不食現象が事実なら科学的解明が求められる。

≪ジャニ氏はグジャラート州に住むカースト最上級層バラモンの家に生まれた。
幼少のころ、父親と移り住んだ西部ムンバイで、女神アンバから、苦労しないように、と飲食や排泄をせず生きる力を与えられたという。8歳か9歳のころからヒマラヤに移りヨガの修行を積み、約50年前からアンバジでジャングル生活を送っていた。≫


ずいぶんと断定的な表現だが、勿論全てを鵜呑みにすることはできない。「女神アンバ」なるものが関与している可能性は非現実的だが、戯言として完全に排除しない方がいいだろう。神の概念は漠然としており、定義など存在しない。
ジャニ氏の前に出現した「女神アンバ」の正体は宇宙人かもしれないし、異次元生物、脳内別人格などいろいろ考えられる。

≪信者によると、ジャニ氏は毎朝4時には起床し、近くのアンバジ寺院で祈りをささげた後、かつて洞窟だった自分の部屋を清掃したり、日光浴をしたりして時間を過ごし、 長時間の瞑想に入るという。 ≫

仮説の一つに、腸内細菌栄養補給説がある。窒素固定細菌が大量に存在しているという説がある。だからと言ってそこから細菌間の共生連鎖で有機物が生成されるメカニズムは解明されていない。
日光浴によって光合成をしている可能性も考えられるが、藍藻類がジャニ氏の皮膚に付着していないと起こりえない。ジャニ氏が緑色の肌をしているという報告はない。

≪ジャニ氏は今年4月22日から15日間、アーメダバードの病院に入院し、国防省の研究機関の医師団による検査を受けた。目的は、ジャニ氏の身体メカニズムを解明し、厳しい環境下で兵士が生き延びる方策に応用すること。貧困者の餓死対策になるとの期待もある。

病室は監視カメラと医師団に24時間監視された。水に接したのは水浴びとうがいのときのみ。
うがいの水を飲んでいないかなどもチェックされた。

実はジャニ氏への最初の調査は1942年だったという。2度目は2003年で、この時の医師団は10日間、飲食や排泄をしなかったことを確認した。 ≫


水分の補給さえできればこの程度の断食は比較的容易である。一見水分を取っていないようでも、「自分の尿を飲んでいた」という報告がある。
ヨガで体を柔らかくして、直接排泄物を飲むなどという芸当が可能だろうか?

≪最新の調査では、ゲノム(全遺伝情報)にまで幅を広げ、謎の解明に重点が置かれた。
結果が出るまで数カ月を要するという。
謎が医学的に解明されれば、「私のもっている力で人類を救えればうれしい」というジャニ氏の願いは実現するかもしれない。 ≫


私の予想では大した成果は得られないだろう。

prahlad jani


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