2010年5月30日日曜日

ホンダのストライキ損失は400億円 チャイナリスクで中国自滅へ


ホンダ組立工場が稼動停止 損失は1日2億元超に

広東省仏山市南海区にあるホンダの部品工場でのストライキが全く解決のめどがつかず、泥沼の様相を呈している。ホンダの1日の損失は26億円と推定され、累計被害額は既に400億円に達しているものと思われる。
数あるチャイナリスクの中でも、極めて深刻な状況と言っていいだろう。

チャイナリスク

中国で行われるストライキには必ず工作員が存在する。今回のストライキにも工作員が暗躍した形跡が色濃く残されている。

ホンダのストライキ、中国人従業員がネットに給料の明細を発表 日本人従業員との給与格差が50倍も

生活水準が異なる賃金体系を比較しても仕方ないが、工作員が巧みに一般従業員の反日感情を刺激するように画策しているのである。

工作員は従業員達を煽るだけ煽って姿をくらますことだろう。
多分に政治色の臭いが漂うストライキであるが、背景にある事情も複雑である。

今回のストライキは国内の矛盾を反日感情に転嫁させることによってガス抜きさせる意図が見受けられる。この問題は単なるホンダの工場だけにはとどまらない。中国中のマスコミが逐一事件の様相を大げさに報道している様子からも中国政府の意図を読み取ることができる。

中国の内政上の最大問題は物価上昇である。経済成長率が高いのはいいが、その分物価が上昇するのはやむを得ない。物価が上がれば賃金も上昇しなければ生活に支障を来すのだが、賃金がなかなか追いつかない。

中国の最低賃金大幅アップ 上海は15%、景気回復背景

物価高に対応するために、上昇率の激しい地域では、それなりに賃金を上げざるを得ない

今回のホンダストライキ事件を引き起こした佛山市も上海同様物価の高騰にさらされている地域なのである。

中国はもう「低賃金」で安い労働者を使える環境ではない!

中国が世界の工場になったのは、労働力が安価という魅力があったからである。そのメリットがチャイナリスクに勝っていたのだが、経済発展すれば個人所得が増えるのは道理である。
急成長が予測の範囲を超えてしまったために、企業側も対応できなかったのである。

ホンダ工場でスト 中日従業員の給与に50倍の差

日本人の給与は今回の問題とは無関係なのでさておくことにして、ホンダが中国人に払っていた給与が適正であったかが焦点になる。
一番ランクの低い中国人従業員の給与は約1,000元で、これは上海市の最低賃金に等しい。ホンダが中国人従業員を優遇していなかったことも事実である。

「売り手市場」労働者強気 ホンダ中国工場スト 交渉難航

さりとて、ホンダ側にも簡単に賃上げに応じられない事情がある。製品コストに跳ね返るのは勿論だが、それ以外に他の進出企業に対する義理も働いている。ここでホンダが妥協してしまえば、他の企業にも累が及んでしまうのである。

中国で相次ぐストライキ、ホンダのストが北京ヒュンダイにも波及

賃上げ要求ストライキ騒ぎは北京の韓国企業にも飛び火してしまった。まさに、中国では全国規模でストライキの嵐が吹き荒れそうな状況なのである。

外資企業が不満のはけ口に?

しかし、中国では国家の統制力が強大である。「ストライキといえども国家の統制の下で行われている」というのが実態だ。つまり、無作為にストライキが発生しているのではなく、政府が許可した場合のみストライキが行われている。ストライキもまた国家戦略なのである。中国政府が圧力をかけたい国の企業に対してのみストライキが行われているのである。今回は日本と韓国を攻撃目標に定めたことになる。日本と韓国は中国になめられているとも言える。

韓国企業がやり玉に挙がったのは、魚雷事件との兼ね合いで牽制目的なのだろう。

中国の賃金コスト上昇、時間かけ日本の物価に影響与える可能性

しかし、このような中国政府の対応は結果的には自殺行為である。こんな馬鹿なことを続けていれば、進出企業が嫌気をさして中国から逃げ出すのが見えているからである。

なぜ中国がこのような矛盾した行動をとるのか?
理由は案外簡単である。中国は役人天国である。役人天国と言えば日本もそうだ。役人同士は決して統率力が取れていない。身内意識・縄張り意識が強いのも日本と同じだ。要するに、外国企業を誘致する役人と情報操作して工作活動をする役人とは何のコンセンサスも存在せず、仲間内の利権を守るために無関係に行動しているのである。
中国の最上層部も勝手に行動する役人どもを支配できない状態に陥っている。

労働力不足と賃金上昇が続く中国

中国の取り柄は安い労働力と膨大な消費人口だけである。どうしても「中国でなければ困る」と言う技術はさほど多くない。
そこそこ土地があって人口も多く、安手の労働者がいっぱいいる国など、世界中にごろごろしている。中国よりも更に所得の低いインドなどはその最たる国だ。

役人同士が矛盾した行政を垂れ流し続けている中国の未来は、日本の御用評論家がよいしょしているような甘い状況ではない。

中国もアメリカ同様自転車操業国家だから、倒れたら「はい、それまでよ」状態なのである。


記事が面白いと思ったら下のリンクをクリックしてくだされ!! 
<(_ _)>
→人気blogRanking

→FC2 Blog Ranking

0 件のコメント: