2009年10月25日日曜日

余計なお節介?「天皇お言葉」騒動



「お言葉」という語感がどうも「お間抜け」に聞こえるのは私だけだろうか?
こと天皇関連に関するマスコミ報道で使用される敬語は現実と遊離したものが多い。
日頃ぞんざいなしゃべり方をしている奴が急に改まった口調になると不自然な印象を与えるのと同じである。
「お言葉」なる表現も戦後に使われ出した語彙である。以前は「勅語」で用が足りたのだが、「漢語系は民主主義のイメージに合わずまずい」と判断した連中が、「さりとて天皇の言動に敬語を使わないわけにはいかない」ということで「訓読表現」を思い立ったのだが、実際に適切な表現は古語の「みことのり」しかない。頭を抱えた挙げ句、現代敬語を当てはめたのだが、結果としてかくのごとく「お間抜け」な敬語表現になったのである。
こと皇室関係はタブーが多いので、マスコミも事なかれ主義で「お言葉」を踏襲しているわけだ。
私の個人的な見解では「勅語」を使用して問題ないと思うのだが…。

天皇陛下のお言葉全文

18日の特別国会開会式での天皇の「お言葉」の全文は次の通り。

≪本日、第172回国会の開会式に臨み、衆議院議員総選挙による新議員を迎え、全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、私の深く喜びとするところであります。ここに、国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します。≫

「毎回このパターンなのでもう聞き飽きた」と岡田外相は主張しているのである。

岡田外相が「お言葉」発言で反論「こう言うべきと言ったわけでは」

≪岡田克也外相は23日午前の閣議後の閣僚懇談会で、国会開会式での天皇陛下のお言葉について「陛下の思いが少しは入った言葉がいただけるような工夫を考えてほしい」と述べ、宮内庁に対し、お言葉の見直しを検討するよう求めた。≫

岡田外相も天皇に直接文句を言えないから宮内庁に抗議したわけだ。
抗議された宮内庁もビックリ。

岡田発言 宮内庁「国会でのお言葉、慎重であるべき」

≪岡田克也外相の発言について宮内庁の羽毛田信吾長官は23日、「陛下の憲法上のお立場をふまえれば、毎回違うお言葉になるような性格のものではない」と述べ、国政の場での陛下のお言葉には一定の制約があるとの見解を示した。≫

年賀状で「謹賀新年」は飽きたから、別の表現にしろ、と文句を垂れているのと同じ、形式的な挨拶に過ぎないものを「その都度言葉を換えろ」とは面倒なことを言うな、というわけだ。

今度転勤してきた課長に「おはようございます」と挨拶したら、「こら、俺に向かって月並みな挨拶をするな」と怒鳴られたようなものか?

私は憲法そのものに欠陥があると思う。天皇は大統領ではないのだから無理矢理形式的な政務を当てはめさせる必要はない。
憲法改正というと第9条ばかりに議論が集まる傾向にあるが、第1条から第8条までの「天皇」関連のほうがより問題視されるべきだ。

今回の騒動で、今まで縮こまっていた右翼系の連中が急に元気になり出した。

≪高崎経済大学の八木秀次教授(憲法)は「岡田氏の発言を要約すると天皇陛下に『お言葉のあり方を考えてほしい』と言っているに等しい。陛下は政治的、党派的な発言をなさらぬよう心がけておられる。国会開会式も諸々の事情を踏まえてあのようなご発言になっている。岡田氏の発言はそうした事情を十分に斟酌(しんしやく)しない、非常に不遜(ふそん)な発言に思える」と指摘する。そのうえで「仮に岡田氏の発言を踏まえて陛下がお言葉を変更されたとしたら強い違和感を覚える」と話している。≫

この手の連中は皇室系のネタになると馬鹿の一つ覚えで「不遜」を繰り返す。頭が悪くても「不遜」を繰り返していれば商売できるのだから気楽なものである。

私が天皇だったら、関係ないのにいちいち国会に行かされて同じことを喋らされるのには面倒くさくて腹が立つし、「違う言葉を考えて喋れ」などと更に面倒くさいことを注文されたらもっと腹が立つ。


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